脱緊縮とは、国債を最低数兆円規模で大量に発行し、それを財源にして、国民の生活が豊かになり、実体経済が上向きになるような経済政策を国が実行することです。そのような経済政策にはベーシックインカム政策も含まれます。
「そんなことするとハイパーインフレになる」と緊縮の人たちは反対します。
しかし、じゅうぶん現実的な規模の数兆円~数十兆円の国債を財源にして、上記のような、国民にとっても企業にとっても望ましい経済政策を実行しても、ハイパーインフレにならないことを、信頼性の高い、日経NEEDSのマクロ経済シミュレーションによって示そうというのが本プロジェクトの趣旨です。
新型コロナウイルス禍の副作用もあって、日本経済の落ち込みには歯止めがかからず、緊縮財政はもはや破綻していると言ってもいいでしょう。他方で、AIロボットが私たちにとって代わって仕事をする流れ(=多くの人々が仕事を失って行く流れ)も着々と進みつつあります。そういった状況下においては、国民の生活を守り、実体経済を回復させる方法は、脱(反)緊縮&ベーシックインカムの実現以外にはあり得ないと考えます。
小野共同代表が、日経NEEDSによるシミュレーション第一弾として「国民全員に20万円を給付した場合」の試算を行い、2月28日、その資産結果を論拠とした、「新型コロナウイルス禍緊急対策として国民全員に20万円を給付すべき」という緊急提言を財務省と麻生財務大臣に対して行いました。
その試算結果は、
「2020年度のGDP押し上げ効果は名目で2.3%、実質で2.2%。実質民間消費を15兆円押し上げる。2021年度、名目GDPは614兆円まで伸びる」
「消費者物価押し上げ効果は0.05ポイントにとどまり、インフレ目標の2%には遠く及ばない」
というものでした。(この試算結果について、より詳しくはここ)
私たちは今後、様々なシミュレーションを行い、その試算結果を公表していきたいと思います。
今後高まるであろう、脱(反)緊縮論議の基礎資料として、どうぞ是非、ご一読、ご活用ください。
2020年3月4日
脱(反)緊縮&ベーシックインカムマクロ経済プロジェクト
小野盛司(共同代表。日本経済復活の会代表)
荒井潤(共同代表。作家)
井上智洋(顧問。駒澤大学経済学部準教授)
山下元(顧問。リアルグッドカムパニイCEO)
なお、上記の4名はみな、日本ベーシックインカム学会の会員です。